花巻の馬づら電車
花巻は宮沢賢治ゆかりの地として知られていますが、1972年まで花巻電鉄という私鉄が走っていました。残念ながら私は乗ったことも実際に見たこともありませんが、極端に車体幅の狭い馬づら電車は雑誌などで見ていて、いったいこれで人が乗れるのだろうかと不思議に思ったものです。
その馬づら電車が1両だけ保存されていると知って、盛岡競馬とくりでんの合間に訪問してみました。保存場所は花巻駅西側の材木町公園というところです。
炎天下を歩くこと約10分、馬づら電車ことデハ3は公園の片隅にひょっこりと鎮座していました。
確かに狭いですね... 併用していた道路が狭かったためこのようなことになってしまったということですが、かなり個性的です。となりにあるすべり台に上ると屋根が見え、ポールがたたまれているのもわかります。
ところで馬づら電車の脇にある木造の建物も必見です。70年以上前に建てられた旧花巻町役場を移築したもので、総檜造り2階建ての建物はいまも「市民の家」として現役です。ちょっとだけ中をのぞかせていただきましたが、ひんやりとした木造のたたずまいが魅力的でした。1933年に宮沢賢治が亡くなったあと、この建物の2階で追悼会が開かれたという歴史的な場所でもあります。
デハ3は1931年製ということなので、同時代を生きた車両と建物が同じ敷地内に保存されていることになります。
生前の賢治がデハ3に乗って花巻町役場にやってきたことがあるのでは、ふとそんな幻想にとらわれた真夏の午後でした。
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