初夏の霞ヶ浦をたずねる
5月の連休中に鹿島鉄道を訪問しました。鹿島鉄道、通称かしてつは2007年4月1日をもって廃止という方針が会社から発表され、存続について地元で協議が行われています。ディーゼルカーが走るのんびりとしたローカル線ですが、初夏を走る姿はこれが最後となってしまうかもしれません。
鹿島鉄道でもっとも風景の美しい場所といえば、桃浦駅から浜駅にかけて霞ヶ浦に沿って走るところでしょう。私も浜駅で降りて、霞ヶ浦を見渡せる場所へ向かいました。タンポポが美しく咲くなかを石岡方向へディーゼルカーが出発していきます。
霞ヶ浦とその向こうの山影をバックに走ってくる気動車を何枚か撮影します。古い形の車両はディーゼルカーと呼ぶよりも気動車と呼んだほうが似合うような気がします。きらびやかな太陽の光のもとで、車体をキラキラと輝かせながら走り去る姿は、古き良き時代の日本の田舎を思い出させてくれました。
上は車齢70年!になるキハ602です。この日は連休中で写真を撮る人が多かったせいか、旧型車をとくに走らせていたようで、続いてやってきたのも湘南顔キハ431と432でした。
この日は5月らしくよく晴れた日で、空と雲の美しさは本当に感動ものでした。
途中の常陸小川駅のホームの上の待合室の外壁には、地元の子どもたちによるかしてつ応援の絵が描かれていました。石岡駅などでも見られて、地元の存続への熱い思いが感じられます。
坂を駆け下り終点へ向かうKR500形です。場所は石岡駅近くの常磐線からゆるやかに離れていくところです。
この近くの踏切で列車を待っているとき、地元の女性に車の中から声をかけられました。
「いい写真がとれたかね?」
「ええ、いいお天気だったので...」
「かしてつももうなくなってしまうって、近所の○○も今日は乗りに行ったよ。なんか料金が安いんだってねぇ」
「1日乗車券ですね。1100円です。土日や祝日だけなんですけれどね」
「ああ、それそれ。今日みたいにたくさん乗ってくれれば廃止にならないのだけれどねぇ。がんばって撮ってね」
写真を撮っていて応援されたのははじめてです。ガンバレ!かしてつというヘッドマークをつけた車両も走っていました。
石岡駅と隣接する石岡機関区には何両ものディーゼルカーが留置されていて、さながら展示場のようです。夕方には、石岡~鉾田を朝から往復していたキハ430形、キハ600形なども車庫に戻り休んでいました。
このまま来年には廃止となってしまうかもしれない鹿島鉄道。今月の28日にはみんなでかしのりという応援イベントも行われます。
なんとか存続できるようかしてつにはがんばってほしいなと思いますし、私もたまに乗りに来ることくらいしかできませんが応援したいと思っています。
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