新しいお店、消えるお店
仕事で本屋さんをまわっていますが、先日3ヵ月ぶりにある街の本屋さんを訪ねたところ、閉店していました...
どんな業種でもそうかもしれませんが、開店は案内が来ても、閉店はあまりお知らせがありません。まして出版社と本屋さんとの間には直接的なお金のやり取りがないので(一般的には)、余計かもしれません。
いつものとおり駅から歩いて3つ目の角を曲がったのに、目指すお店が見えません。「あれっ、道を間違えたかな」と思いましたが、歩道の様子に見覚えがあります。実はシャッターが降り看板もはずされていたのでした。確かにお客さんが減り気味とは聞いていたものの、夕方などは高校生でずいぶん賑わっていたし、担当者の方は一生懸命やっていたのにと思いましたが、商店街そのものの集客力が落ちていたようです。街にとけこんでいる、感じの良いお店だったのに残念です。
そのまま引き返し、今度は最近できた本屋さんに向かいます。こちらは新しいビルのテナントとして開店したチェーン店です。思ったとおりお客さんも多く、活気があります。店内の照明や書棚の作りにも、やはり新しい感覚が生きています。
3~4ヵ月前に新規開店のお知らせが会社に送られてきたとき、既存のお店は厳しいのではと予測しましたが、こんなに早く現実化するとは思いませんでした。古い商店街のなかの古いお店が消え、新しいビルやモールの中に新しいお店が生まれる、これは私の業界だけに限った現象ではありませんが、なんとも淋しい気持ちになります。とはいえ、私のほうは新しいお店ができれば、そこで取り扱ってもらえるよう営業をしていくわけで、ある意味、冷たいというかドライな世界でもあります。
それでもやはり、古いお店がひっそりと閉店し、やがて人々の記憶からも消えていくのを受けいれることはなかなかできません。書棚の様子や入口の佇まいを、せめて私の記憶のなかには残しておきたい、と思ってしまいます。なんの役にも立たないことですが。
写真は、本文とはまったく関係はありませんが、新しいものと古いものの対比ということで...
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