神田佐久間町の新聞社倉庫
総武線の秋葉原~浅草橋間は、美しいコンクリートアーチの高架橋が連続する区間です。両国~御茶ノ水間が開通したのは1932年(昭和7年)ですが、開業直後の写真を見ると、いまと違い高い建物がほとんど見られない街の中を真新しいアーチが一直線に続いています。都会の新しい景観としてたくさんの人の目をひいたに違いないでしょう。
しかし、いまではアーチ部分はほとんどが壁で覆われてしまい、事務所やお店、倉庫などになっています。建設当時の美しい姿を偲べるのは1ヵ所だけでした。
二つの駅のちょうど中間あたりの神田佐久間町を抜ける高架橋の下に、朝日新聞と毎日新聞の倉庫が仲良く並んでいました。近くを流れる神田川の水運や1975年まであった秋葉原貨物駅などこの周辺は物流の拠点だったので、この倉庫も運ばれてきた新聞用紙などを保管していたのかもしれません。しかし、近くで見たところ最近は扉が開けられることもないようで、二つの倉庫ともあたたかな日差しのなか長い眠りについているようでした。
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