岳南で茶色のELと赤がえるを追う
少しばかり古い話になりますが、先月、岳南鉄道の電気機関車を見に行きました。岳南鉄道は東海道線の吉原と岳南江尾を結ぶ10キロに満たないローカル私鉄ですが、沿線に日本製紙などの大きな工場があるため貨物輸送が行われているのが特徴です。私の働いている会社の本も何点かは日本製紙富士工場で作られている紙を使用しているので、お世話になっている可能性のある路線でもあります。ここでは、なかなか味わい深い電気機関車が働いています。
上の車両が今回のお目当てED501です(比奈駅構内)。昭和3年製で35年前に名鉄からやってきました。毎日動いているわけではないようですが、この日は比奈駅と工場とを結ぶ引込線を元気に走っていました。屋根の丸みや窓の上部のカーブの具合などが無骨さの中にも優雅さを感じさせます。
続いて隣りの岳南富士岡駅に向かうと、もうひとつのお目当て旧東急5000系の赤がえるが留置されています。以前、このブログで取り上げた熊本電鉄の青がえるの仲間になりますが、残念ながら現在は引退しています。岳南富士岡駅構内には2編成留置されています。撮影することはできませんでしたが比奈~岳南富士岡間の貨物ヤードに引退間近に緑色に塗り替えられたもう1編成が置かれていました。
赤がえるの隣りには旧豊川鉄道、国鉄飯田線からやってきた昭和2年製のED291が止まっています。こちらもすでに現役ではありませんがきれいに残っています。ずっと動いていないせいか台車の下は猫の棲家になっていました。この時間になると少し晴れてきたので富士山をバックに撮影できるジャトコ前~吉原間に移動すると、歩いているうちにだんだんと雲が富士山の頂きを覆いはじめます。すぐにやってきた現在の主力車両、旧京王井の頭線デハ3000系を両運転台に改造した7000形はなんとか間に合いましたが、念入り(?)に撮影場所を検討して満を持したED402のときには完全に雲に隠れてしまいました。
ED402は昭和40年製で松本電鉄からやってきましたが、当時の国鉄EF60などの近代化された電気機関車のデザインの影響を受けながらデッキ付きのうえ塗装がマルーンという味のあるスタイルです。登場時には地方私鉄での本格的な新製機関車ということで話題になった記憶がありますが、古い話ですね。僚機のED403は今年の初めに赤く塗り替えられていますが、この日は岳南富士岡の車庫で休んでいました。
その後、吉原の駅に向かうと先ほどのED402と7002形が仲良く並んでいました。ホームの屋根柱の組み方は岳南鉄道独特のものらしくいくつかの駅で見られました。
岳南鉄道は基本的にはワンマン運転で駅も無人ですが、吉原、吉原本町などでは硬券の入場券、乗車券も販売しています。吉原駅で購入したJR連絡券などは珍しいものかもしれません。記念乗車券もいろいろあります。土日の訪問には1日400円という大変お得なフリー乗車券が便利でしょう。貨物輸送の前途は厳しいようですが、これからも茶色の電気機関車たちには末永く活躍してもらいたいなと思います。
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